社会保険 新型コロナによる休業で報酬が「著しく」下がった場合に社保料の翌月改定が可能に 

 今般の新型コロナウイルス感染症の影響により休業し、休業により報酬が「著しく」下がった被保険者が一定の条件に該当する場合、健康保険・厚生年金保険の標準報酬月額を特例により翌月から(通常は4か月目)改定することが可能です。

 次のすべての条件を満たす被保険者が対象です。

    1. 新型コロナウイルス感染症の影響による休業(時間休業含む)があったことにより、2020年4月から7月までの間に報酬が著しく低下した月が生じた方
    2. 著しく報酬が低下した月に支払われた報酬の総額が、現行の標準報酬月額に比べて2等級以上下がった方
    3. 本特例措置による改定内容に本人が書面で同意している

 対象となる保険料は、2020年4月から7月までの間に休業により報酬が急減した場合、その翌月分~8月分保険料です。

 届出は2021年1月末日までに、月額変更届(特例改定用)に申立書を添付し管轄の年金事務所に申請します。詳細はご相談ください。

 以下、制度のQ&Aを年金機構パンフレットからまとめました。

Q1.固定的賃金に変動がない場合も対象に?

 対象となります。今回の特例改定に限り、上記の3要件のみで判断されます。

Q2.休業のため無給のときや支援金を受ける場合も対象に?

 対象となります。実際の給与支給額に基づき改定されます。

Q3.給与計算の基礎日数が17日未満も対象に?

 今回の特例改定に限り、休業命令や自宅待機指示によって休業となった日も基礎日数として取扱われます。ただし、休業月とその前2か月に17日未満となる月がある場合、対象外となります。(短時間の被保険者は11日未満)

Q4.届出内容や本人の同意等を確認できる書類の提出は必要?

 不要ですが、後日、事業所の調査等の際、確認を求める場合があるとのことで、届出日から2年間は書類を保管する必要があります。また本人の同意は、届出前に得ることが必要とのことです。

Q5.休業が回復した場合の届出は必要?

 今回の特例改定後、固定的賃金が変動し、随時改定の対象となるときは、随時改定(月額変更届)の届出が必要です。

 また7・8月に特例改定が行われた場合、定時決定が行われないため、休業回復 後、3か月間の平均報酬が2等級以上上昇した場合、固定的賃金の変動の有無に関わりなく、随時改定(月額変更届)の提出が必要です。

 報酬支払日数が17日以上(短時間労働者は11日以上)となった月

Q6.定時決定(算定基礎届)や随時改定(月額変更届)は?

 通常の算定基礎届、月額変更届については変更はありません。休業中で給与の支払いのない日は基礎日数にはカウントせず、また固定的賃金の変動があった場合のみ随時改定の対象となります。