労基署による長時間労働改善事例集(長野労働局 松本労基署)

 長野労働局松本労基署では11/1、ホームページで「長時間労働改善事例集」を公開しました。管内事業場の改善事例をまとめています。一部を抜粋してご紹介します。

1 実態を把握し、労働時間制を見直した例

    • 「時間外休日労働に関する労使協定」の限度時間を超えた労働者に対し、勤務実態についてヒアリングを実施したところ、その労働者の業務が夕方以降に集中することが判明。所定労働時間はそのままで出勤時間を繰り下げた結果、時間外労働の削減につながった。(機械器具製造業、労働者数430名)

2 営業時間の見直しや業務を一部外注化した例

    •  店舗の開店時間が所定始業時刻と同じく午前8時からのため、店舗で販売する商品を製造する部署は毎日1時間早出が必要、月45時間町の時間外労働が発生していた。時間帯ごとの売り上げ等を検討し、店舗の営業時間を午前9時からに変更し、早出残業時間を削減した(菓子製造業 労働者数10名)
    •  閉店後に清掃を行う必要があり、時間外労働が発生していたため、清掃業務を外部に委託し、時間外労働を削減した。(美容院 労働者数3名)

3 業務の標準化・平準化により時間外労働を削減した例

    •  長時間労働が発生する部署について、部署内の職員間で仕事を共有化するほか、ほかの事業所の職員の応援なども行うことによって業務が特定の職員に集中しないよう長時間労働の削減に努めている。(情報処理サービス業 労働者数190名)
    •  企業トップによる時間外休日労働労使協定遵守の即時徹底の周知と、OJTによる職員の全体的なスキルの底上げにより業務と時間外労働時間数の平準化を図っている。(金属製品製造業 労働者数25名)

4 賃金制度の見直しにより長時間労働を削減した例

    •  従来40時間分の固定残業代を支給していたが、40時間程度の時間外労働が常態化する等の問題が発生していたため、賃金制度を見直し、実際に支給される残業代と固定残業代との差額は賞与として支給することとしたため、トータルで賃金額の低下が起きず、かつ、労働者が早く帰宅するようになった。(医療機器等卸売業 労働者数50名)

 

 事例集ではこのほか、「労働時間の把握方法を変更する」「長時間労働を未然に防止するためのアラート通知など、注意喚起する」「年次有給休暇の取得を促進する」といった例が紹介されています。詳細は長野労働局松本労基署サイトでご覧いただけます。

(2021.11.30作成記事)