女性活躍・ハラスメント規制法成立  パワハラ6典型の再確認を

今年5月29日、女性活躍・ハラスメント規制法が国会で成立しました。

この法律は企業にパワーハラスメントに関する相談体制の整備や防止措置を義務付けるほか、セクシュアルハラスメント、マタニティハラスメントに対する対策の強化、女性社員の登用や昇進に対する数値目標の策定義務の対象企業の拡大等を定めています。

施行時期は常用労働者300人超または資本金等が3億円超の企業は来春2020年4月、それ以外の中小企業※についてはまず努力義務でスタートし、2年以内に義務化される見通しです。

※小売業は資本金等5,000万円以下または常用労働者50人以下、卸売業は同1億円以下または同100人以下、サービス業は同5,000万円以下または同100人以下のとき、中小企業に該当します。

パワーハラスメントの定義や類型、防止措置の内容などは厚労相の諮問機関で今後審議されます。

厚労省が以前とりまとめたパワーハラスメントの分類等をもとにとりまとめられるとのことです。

厚労省によるパワーハラスメントの定義や対策については、インターネットからわかりやすいパンフレットをダウンロードできます。事業主向け、会社員向けとありますので、スマートフォン等からご覧になってみてください。

※「NO パワハラ」で検索すると、厚労省の「あかるい職場応援団」からオンライン研修講座など閲覧できます。花くまゆうさく氏のイラストによる脱力感のあるデザインのサイトです。

以下、厚労省パンフ「NOパワハラ 事業主の皆さまへ」から抜粋しました。この他、予防と解決、相談対応のポイント、過去の判例等がA4計6ページまとめられています。

1.「職場のパワーハラスメント」とは

 職場のパワーハラスメントの定義を『同じ職場で働く者に対して、①職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に②業務の適正な範囲を超えて③精神的・身体的苦痛を与えるまたは職場環境を悪化させる行為』としています。以下、6つの類型にまとめられています。

ア.精神的な攻撃

同僚の前で叱責される。他の職員も宛先に含め、メールで罵倒される。必要以上に長時間、繰返し執拗に叱る。等

イ.身体的な攻撃

叩く、殴る、蹴るなどの暴行を受ける。丸めたポスターで頭をたたく。等

ウ.過大な要求

新人で仕事のやり方もわからないのに他の人の仕事までおしつけられ、同僚は皆、先に帰ってしまった。等

エ.過小な要求

運転手なのに営業所の草むしりだけを命じられた。事務職なのに倉庫業務だけを命じられた。等

オ.人間関係からの切り離し

1人だけ別室に席を移される。性的指向・性自認等を理由に職場で無視するなどコミュニケーションをとらない。送別会に出席させない。等

カ.個の侵害

交際相手について執拗に問われる。妻に対する悪口を言われる。等

2.予防と解決、相談対応の流れとポイント

 予防策としては、①トップのメッセージ ②ルール化 ③社内アンケート等で実態把握 ④社内教育 ⑤周知、啓蒙 が挙げられています。

 また解決策としては、①相談や解決の場を提供 ②再発防止のための取組 が挙げられています。

 その他、相談対応については、流れやポイント等、具体的にまとめられています。過去のパワハラに関する4つの判例ついても解説されています。

 詳細はご覧になってみてください。研修動画も迫力があります。