2020年秋 首都圏の地域最低賃金の改定額と改定時期(厚労省) 

 厚生労働省は8/21、全国の地方最低賃金審議会が答申した令和2年度の地域別最低賃金の改定額と発効予定年月日を発表しました。答申された額は今後各都道府県労働局長の決定により順次発効予定です。

 ご参考まで、首都圏1都7県の改定額と発効予定日は下記のとおりです。
 

 ・東京都  1,013円→1,013円(  ‐  )
 ・埼玉県  926円→ 928円 (2020/10/1)
 ・神奈川県 1,011円→1,012円(  〃  )
 ・千葉県  923円→ 925円 (  〃  )
 ・茨城県  849円→ 851円 (  〃  )
 ・栃木県  853円→ 854円 (  〃  )
 ・群馬県  835円→ 837円 (2020/10/3)
 ・山梨県  837円→ 838円 (2020/10/8)

 この他、最低賃金のポイントを例年同様、下記にまとめました。ご参考まで、ご確認ください。

 

【最低賃金の効力】

 地域別最低賃金を目安として給与額を決定されている場合、上記発効日以降、改定後の額を下回ることのないようご留意ください。

 仮に最低賃金額を下回る賃金を従業員と合意の上で定めたとしても無効とされ、最低賃金と同様の定めをしたものとみなされ、差額の支払が必要です。

 

【最低賃金に違反した時の罰則】

 地域別最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、最低賃金法に罰則(50万円以下の罰金)が定められています。また「特定(産業別)最低賃金額」以上の賃金額を支払わない場合には、労働基準法に罰則(30万円以下の罰金)が定められています

 

【最低賃金に抵触していないかチェックする方法】

 最低賃金は一部を除き時間額で定められています。時給制の場合は、単純に比較してチェックします。
日給制、月給制、出来高払制などの場合、下記のように時間額に換算したうえで、対象となる最低賃金額と比較します。

・日給制のとき

「日給額÷1日の所定労働時間」と比較

・月給制の場合

「月給額÷月平均所定労働時間」と比較

・出来高払制その他請負制の場合

「出来高払制等で計算された総額÷対象となる総労働時間数」と比較

・上記の組み合わせの場合

上記で計算した時間額の合計額と比較

 

【最低賃金をチェックする際に計算から除く手当】

 時間額に換算する際には、通勤手当、家族手当など計算から除外する手当があります。

 しばしば混同されるようですが、精皆勤手当が除外対象で住宅手当は除外しないなど、「割増賃金の基礎となる賃金から除外できる手当」とは一部異なりますので、ご留意く ださい。

(1)臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
(2)1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
(3)時間外割増賃金、休日割増賃金など、所定労働時間を超える時間や所定労働日以外の勤務に対して支払われる賃金
(4)深夜割増賃金など、午後10時から午前5時までの間の勤務に対して支払われる通常の計算額を超える部分
(5)精皆勤手当、通勤手当及び家族手当
  

※割増賃金の基礎となる賃金から除外できる手当

(1)家族手当(2)通勤手当(3)別居手当(4)子女教育手当(5)住宅手当
(6)臨時に支払われた賃金(7)1ヶ月を超える期間毎に支払われる賃金

 (1)~(5)は「実際の人数」や「費用」に応じて算定されるものに限る等、限定されています。詳細はご相談ください。