職場のパワハラ実態調査(厚労省)
厚労省は12日、国として初めて実施した職場のパワーハラスメントに関する実態調査の報告書をとりまとめ、公表しました。この調査は、職場のパワハラの実態を把握し、発生要因の分析や、予防・解決に向けた課題の検討を行うことを目的として実施されました。
報告書では職場のパワハラ予防・解決にあたって、①相談窓口や就業規則など社内体制の整備、②管理職のパワハラ理解促進、勤務時間や業務負荷の分散など職場環境の整備、③事業所としてのパワハラへの考え方を労使で整理し、予防解決の意識を啓発といったポイントを挙げています。詳細はリンク先を御参照ください。
「『職場のパワーハラスメント実態調査』の報告書がまとまりました。」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002qx6t.html
職場の規模の大小を問わず、パワハラを放置すると、経営側も法的責任を問われることがあります。相談担当者の選任や規定の整備、社外研修への管理職の参加など、できるところから取り組んでみられてはいかがでしょうか。
(1)社内の相談窓口でのパワハラの相談状況
回答企業(対象の27.3%)中、従業員の悩み、不満、苦情、トラブルなどの相談窓口のある企業は全体の73.4%。
(従業員99人以下の企業では37.1%)。パワハラの相談はメンタルヘルスの相談に次ぐ多さとのことです。
(2)パワハラの発生状況
上記相談窓口のある企業のうち、実際に過去3年間にパワハラの相談が1件以上あった企業は約半数、実際にパワハラ事案のあった企業は約3割でした。
(3)パワハラが発生している職場
企業からの回答では「上司と部下のコミュニケーションが少ない職場」(51.1%)が最も多く、「正社員や正社員以外など様々な立場の従業員が一緒に働いている職場」(21.9%)、「残業が多い/休みが取り難い」(19.9%)、「失敗が許されない/失敗への許容度が低い」(19.8%)が続きます。従業員調査でも同様の傾向に。
(4)パワハラ予防・解決のための企業の取組
回答企業の80.8%が「パワハラの予防・解決を経営上の課題として重要」だとする一方、予防・解決に取り組む企業は45.4%程度(従業員99人以下の企業では18.2%)。
パワハラ予防・解決の取組として実施されているのは「管理職向けの講演や研修」(実施企業の64.0%)「就業規則などの社内規定に盛り込む」(同57.1%)など。講演や研修については、効果の実感は高いものの、従業員数の少ない企業では実施しにくいとの調査結果でした。