新型コロナウイルスに関するQ&A:ワクチン接種について(厚労省)

 厚労省は9月28日、新型コロナウイルスに関するQ&A(企業向け)を更新しました。

 従業員の新型コロナウイルスワクチン接種に関連したQ&Aが追加されています。以下、(順不同で)抜粋します。これらのQ&Aは厚労省ウェブサイトからご覧いただけます。(一部を当事務所の判断で省略、改変しています。原文は厚生労働省ウエブサイトでご確認ください。)

Q11.新型コロナウイルスワクチンの接種を拒否した労働者を、解雇、雇止めすることはできますか。

A11.『新型コロナウイルスワクチンの接種を拒否したことのみを理由として解雇、雇止めを行うことは許されるものではありません。』

Q13.採用時に新型コロナウイルスワクチンの接種を条件とすることはできますか。

A13.『「新型コロナウイルスワクチンの接種を受けていること」を採用条件とすることそのものを禁じる法令はありませんが、新型コロナウイルスワクチンの接種を採用条件とすることについては、その理由が合理的であるかどうかについて、求人者において十分に判断するとともに、その理由を応募者にあらかじめ示して募集を行うことが望ましいと考えます。』

Q12.新型コロナウイルスワクチンを接種していない労働者を、人と接することのない業務に配置転換することはできますか。

A12.『(まず前提として)一般に、個別の雇用契約または就業規則等に「業務上の都合により労働者に転勤や配置転換を命ずることのできる」旨の定めがある場合には、会社は本人の同意なく配置転換を命じることができます。
 ただし無制限に認められるわけではなく、「不当な動機・目的がある場合」や、「配置転換の業務上の必要性とその命令がもたらす労働者の不利益とを比較衡量」した結果として、配置転換命令が権利濫用に当たるとして「無効」と判断される場合もあります。
 (つぎに)新型コロナウイルスの感染防止のために配置転換を実施するにときには、「配置転換の業務上の必要性とその命令がもたらす労働者の不利益」の他、「配置転換以外の感染防止対策で代替可能か」慎重な検討を行うとともに、配置転換について本人の理解を深めることに努めてください。』

 

 Q&Aの回答はこの他、「勤務地や職種を限定した雇用契約の場合、限定の範囲を超えて配置転換を行うときは本人の自由意志に基づく同意が必要であること」「配置転換の強要等がパワハラに該当する恐れがあること。事業主にはパワハラ防止のための雇用管理上の措置が義務付けられており、パワハラが生じないよう留意する必要があること」についても補足しています。

(2021.9.29 記事作成)