官公庁等のダウンロード書式について
春は人事異動の季節のためか、書式やひな形のご相談が多くなります。ご相談いただく方や顧客様にあっては、官公庁のホームページなどから書式や作例をダウンロードし、手直しして作成されることが多いようです。
コストもかからず、便利なダウンロード様式ですが、ご相談の事案では不要な項目が掲載されていることもしばしばあります。ご利用の際には目的を充分に吟味し、必要最低限な内容にとどめるよう、ご留意ください。
労務管理にかぎらず、「書式」や「ひな形」は業務の合理化・効率化には欠かせません。トラブル回避や法令順守にも役立つことが多く、当事務所でも各種の様式を作成し、ご利用をお勧めしています。
このような「書式」「ひな形」の活用は労務管理の「仕組み化」「システム化」の一種といってよいかと思います。よい面ばかりのような「システム化」ですが、東日本大震災後の復興事業に関する新聞のコラムで、専門家による興味深い指摘が紹介されていました。
いわく、「システム化の本質は『判断・決定を省略すること』にある※ 」そうで、システム化が進んだ組織で「判断停止・思考停止」や「度を越した手続の自己目的化」などの問題が生じるのは必然で驚くにあたらない、とのことでした。
業務や組織の運営にはシステム化と個別判断のバランスが大切、と日々痛感しております。仕組みづくりはやりがいのある仕事ではありますが、十分に危機感をもって取り組む必要があるものと再認識させられた次第です。
※原典は毎日新聞掲載のコラムでした。
※当初、掲載した文面がやや(かなり?)意味不明になってしまっており、修正して再投稿しています。何卒ご容赦ください。(塩澤)